その時、サソリが階段から降りて来た。
「神、そろそろ来るみたいですから、そう落ち込まんで下さいな。」
「おっ、落ち込んでなどっ!」
「もしや、神であらせられますか?」
涼しい声が聞こえた。
それは、私が待っていた声ー。
ふっと、振り返ると、そこには、
「スプリン殿?」
「はいっ!!」
キャプを被っているが、溢れんばかりのもじゃもじゃアフロヘアー。
瞳が見えにくいメガネをかけ、上はキャラクターがプリントされたTシャツ。下はピッチリとしたダメージジーンズ。靴はぼろぼろのスニーカー。
リュックを背負っている。
「神っ!!会いたかった!会いたかったですっ!!神ぃ!!」
私に向かって走って来たかと思うと、ぎゅうっと抱きしめられた。
体を硬直させる私。