私立朝陽高校。
頭脳明晰、家柄良し。
そんなお坊ちゃん、お嬢さんが通うところ。
そうか、お隣さんそんなに売れっ子だったのか…。
そりゃ、売れるわな。
住んでるマンションは同じなのに、こうも住む世界が違うとは…。
白い目をはねのけながら、買い出しを済ませ、家路に着く。
別にお金があるからって、毎回外食なわけじゃない。どっちかっていうと、自炊派である。
だって、1人で外食なんて寂しすぎる!!
高校に通ってない私は友達というものがいない。
母はさっきも言ったが、亡くなってるし、父は行方不明。まあ、借金の取り立て屋がたまに来るから生きてるらしいけど。
兄弟もいない。
私…寂しい人間だな。
そこへ
「キャー!!春樹様〜!!!」
「こっち向いて〜!!!」
と、いう頭にキンキン響く黄色い声が聞こえてきた。