三人の視線が交差し、互いを見つめあう
しばしの硬直


「あ、」


「しょうちゃん」

「な、な、なにやってんだああああああ!!」



翔太は走って翼の胸ぐらをつかむ


「てめぇ、なにしてくれちゃってんだ、ああんっ!?どこのどいつだっ!!」


「失礼しました。」


翼は無表情で、スーツの内ポケットから名刺を出した

「こういう者です」

「あ、どうも、ご丁寧に。じゃ、なくてっ!!」


「違いますか」

「しょうちゃんがノリツッコミっ!!」


「うるさいわっ!」


「しょうちゃん、この人はちょっとした知り合いなの」


萌花は翼と会ったいきさつを簡単に説明した


「その占い、当たってんのか?」


疑いの目で翼を見る翔太


「実際にしょうちゃんが乗るはずだった飛行機、燃えちゃって、乗客、乗組員、全員死亡しましたわ」

「えっ…」

「それで、もうしょうちゃんは大丈夫なんですの?」

「はい、もう大丈夫です」

「よかったぁ、しょうちゃんのお仕事に差し支えるものね」


「すでに少々差し支えてるがな」

「それでは僕は失礼します、急いでいるものですから」

「あ、ごめんなさい。呼び止めてしまって」

「いえ、大丈夫です。では」


翼は春樹の忘れ物を取りに部屋に入る

アニメやらマンガやらが苦手な翼は本当は入りたくはないのだが、オタク丸出しの春樹の部屋を散策する


台本が山のように積まれているところから、今回の台本を抜き出すと、台本からはらりと何かが落ちた


「ん?」


そこで翼はあるものを見つけた



「この髪の毛…」



長い黒髪


翼は髪の毛が落ちた台本の表紙を見た


「そういうことでしたか…。」