「へぇ〜、挑発のつもり?」

「いえ、先輩にも少しは勝ち目がないと可哀想かな、と思いまして」


「言ってくれるね、泣かせちゃうかも」


「臨むところです、ではカラオケボックスに行きますか」


「何言ってんの、隣の部屋にあるよ」

「へっ?何がですか?」



「だから、カラオケボックス」




2人は廊下に出る

涼はじゃらじゃらと何本も鍵のついた中から一本を選び出す



「それ、校内全部の鍵ですか?」

「うん、そうだけど」

「盗まれたら大変ですよね」

「うん、大変だね、その犯人が」


涼先輩、千波先輩がいないと結構ブラックだな


苦笑いしながら中に入ると、広々とした普通のカラオケボックスと大差ない作りになっていた

コの字型のソファーに長テーブル、最新鋭のカラオケ機器があった


「では三曲歌って、その得点の点数の高い方が勝ち、ということで」


「うん、いいよ」


「先攻、後攻は…」


「じゃあ、俺から良いかな?」


「どうぞ」