私の平均睡眠時間はざっと三時間。
寝ないのではない。
眠れないのだ、いわゆる病気という奴だ。


なんか私の人生暗すぎないかって?
とんでもない。
この病気のおかげで夜の仕事が出来やすいのだ。



きっかり、三時間後目覚めた私は冷蔵庫を開けた。


「なぁんにも無いですねぇ、ああ、仕方ないかぁ」


私はエコバックに財布を突っ込むと部屋を出た。
別に服装なんて気にしない。化粧も落としているので、今はスッピンである。


サンダルをひきずりながら、今日のチャットでの事を思い出す。



ジュース「能登春樹って知ってるか?」


モコモコ「あらあら。天下のジュース様も三次元はからっきしですか?」


ジュース「うむ。三次元は論外なのでな。」


スプリン「どうして急に能登春樹なんですか?」


ジュース「ちょっと気になっただけだ。情報が欲しい。」

スプリン「まさか、神が興味を持って下さるなんてっ!!」

サソリ「スプリン、ファンなのか?」

スプリン「ま、まあ、そんなとこです…。」

サソリ「??」

モコモコ「能登春樹、17歳。4月20日生まれのO型。今や、テレビで見ない日はないと云われている、超売れっ子俳優ですよ。」

サソリ「さすが、モコモコの情報収集はすげぇな。」

モコモコ「それほどでもないですよ、話は戻りますけどね。春樹様はモデル、歌手、ラジオパーソナリティー、バラエティー、クイズ番組、あらゆる場所でマルチに活躍できる、まさに完璧超人なのです。今は私立朝陽(あさひ)高校に通っているんです。」

スプリン「個人情報駄々漏れですっ!!」

サソリ「つーか、長すぎなんだよ!」

モコモコ「すみません。つい…ファンなものですから。」
サソリ「ファン!?」

スプリン「わあ、嬉しいですっ!!ありがとうございます!!」

サソリ「いや、お前が喜んでどうする」

スプリン「あっ…そうでした」