「俺たちも協力するからさっ」


遠矢はきれいなハスキーボイスで言った
ニカッと音がなりそうなくらいはつらつと微笑む


「そうだよっ!!2人の恋の邪魔はさせないっ!!」


両手でガッツポーズを作って、ふんっと鼻息を荒くする嘉穂
そんな姿もかわいい


「いつでも頼っていいのよ。友達なんだから」


じゅりなの手をとり、美しく微笑む間宮さん


「何故恋人繋ぎ?」




それから、旧校舎に行った

「おお、安藤さん、いらっしゃ…」


涼先輩が話している途中で、千波先輩がささっと忍者の如くじゅりなの前に現れる

右の胸ポケットに手を添え、片膝をついた
先輩の細い腕をブレスレットが滑り落ちる


「神、はるばるこんな辺鄙なところへよくお越しくださいました。涼、お茶を」

「え…あ、はい」


涼先輩はたじろぎながらもお茶を用意しに行く


「渡會先輩、普通で大丈夫ですから」

「先輩などとおこがましいですっ!!千波、とお呼びください」

「ええっ、いや、じゃあ、千波先輩」

「お荷物お持ちします」

「ああっ、大丈夫ですっ」


「こーらっ」


涼は千波の頭の上に三人分のジュースの乗ったお盆を乗せる

先輩、お茶用意すんの早っ!!


「いたっ」


「後輩困らせてどーすんの、そのままの千波でいれば良いんだよ。」


むっとした顔になる千波
薄くグロスが塗ってある唇を少し尖らせた


「涼のくせに…。」


「はいはい」


この学校の理事長の息子をここまで見下すことができるとは…

千波先輩、すごいな


「さあ、安藤さんも座って」

「はいっ」