今日は授業変更で数学が二時間続くという、地獄のような日程だった


数学が得意な間宮さんは少し嬉しそうだった


「先生、ここ」


間宮さんは数学担当の、黒田隆司(くろだりゅうじ)先生といるとなんだか幸せそうである


「間宮ならこれくらい解けるだろう」

「ええ、先生は解けるのかな、と思いまして」


「こいつっ…見てろよ」


黒田先生は、やはりこのクラスを担当するだけあって、かなりのイケメンである
間宮さんと並ぶと超お似合いのカップルにしか見えない


「どうだ、間宮、解けたぞ」

「時間かかりすぎです、りゅうちゃん」


「その呼び方やめろ、ダサい」

「あら、そしたら先生にピッタリなニックネームじゃないですか」

「お前っ…」


先生も間宮さんに遊ばれてる感じがあるが、楽しそうである


いやぁ、先生と生徒でイケない雰囲気だなぁ

これがゲームとかだったら、もう2人は両想いだな


「ねぇ、部活とかもう決めたの?」


嘉穂がくりくりと大きな目を輝かせながら聞いてくる

「うちにおいでよっ!!家庭科部!!超楽しいよっ!!」


「嘉穂が作る料理は全部焦げてるじゃんよ」


遠矢が呆れ気味に言う


「そ、そんなことないもんっ!!」

「俺がどれだけ毒味させられたか…」

「ううう…」


しゅん、となる嘉穂を見かねて春樹が助太刀する


「でも嘉穂はひとつだけ美味しく作れるよな」

「ひとつだけ?」

「ああ、肉じゃがね」

「なんかすごい定番だね」

「それだけは得意なんだっ」

嬉しそうに笑う嘉穂はやはりかわいい