次の日
「能登春樹っ、いる〜?私、先学校行くけど〜」
春樹の自宅からは返答がなかった
もしかしたら仕事でいないのかも
「いないのか…せっかく一緒に登下校できると思ってたのに…」
じゅりなは仕方なく1人で学校へ行った
すでに春樹の事件はどこから聞き付けたのか、クラス中に広まっていた
芸能界は噂が広まりやすいものだ
「おはよう、今日も可愛いね」
教室に入ると遠矢がいきなり上目遣いでじゅりなに言ってきた
「その遠矢の社交辞令は癖なの?」
「何言ってんの、女性を喜ばせるのは紳士の務めでしょ?」
「はあ…」
わかるようなわからないような…
「おっはよ〜、じゅりぴょーんっ」
嘉穂が可愛らしい笑顔で駆け寄ってくる
そのままガバッとじゅりなに首に抱きついた
「嘉穂っ、お、おっはよ、くるしいっ」
「ああ、ごめんっ、ごめんっ」
今日はみつあみにしている嘉穂
「ねぇ、遠矢、あたしには言ってくれないじゃんっ。可愛いって。何でじゅりぴょんばっかり〜。まあ、じゅりぴょんは確かに可愛いけどっ」
ぷくぅっと頬を膨らます嘉穂はやはり可愛い
「なぁに言ってんの。わかりきってることなんか、言っても無駄だろ」
「へっ?」
遠矢は少し背の高い嘉穂の頬に手を伸ばす
「お前は可愛いよ、嘉穂」
遠矢のハスキーボイスは聞く人をきゅんきゅんさせる嘉穂も例外ではなく
「あっ、ありがと///」
顔を赤くし、黙ってしまった