落ち着いて話をするために一旦じゅりなの自宅のリビングに集まった


四方のソファーに思い思いに腰掛ける4人


「で、どうして皆さんこんな深夜、いえ、明け方まで起きてるんですか?」


時刻は間もなく午前5時になろうとしていた


「私は睡眠時間は少なくて済む体質なんだ。さっき睡眠はとった」


「そんな体質がっ!?」


「ああ」


「わたくしは深夜のアニメを見てから、録画しておいた違うアニメを一挙に見ておりましたわ」


「なるほど、楽しそうですね…」


「俺は新メニューの考案で試作品を作り続けてたらこんな時間になっちまってよ。どうせなら本店の厨房でやりたいんだが…」


ちらっとモコモコを見るサソリ

あの日以来、萌花は断固としてフランスに帰ることを許してはくれない
いや、俺が飛行機に乗ることを怖がってるように見える

何でだ?

今までだって何十回、飛行機に乗って来たかわからない…。

それに伴って、超過密スケジュールだった萌花は急遽、長期休暇に入った

彼女はピアノ公演を依頼されたら基本断れない性格なのだが、今回は何故か俺の元からなかなか離れない


ここのマンションのロビーにあるピアノでたっぷり練習して、指がなまることはないが…。



ケンカしたあの日、あのあとから様子がおかしい

何があったか質問しても答えてはくれない



春樹が今回の事件の詳細を話し、皆を見回した


「ていうか皆さんわかってますか?警察が捕まえられてない犯人なんですよ?しかも、犯人のメドもたってません」


「それは警察が情報を開示しないだけで本当はわかってるかもしれないでしょ?」

「え…じゃあ、なんで早く捕まえてくれないんですか?」


拗ねたように言う春樹
その質問はじゅりなが答えた


「証拠がないからだ」


「あっ…そっか。確かに証拠は残ってない」


「頭のキレるやつの犯行かもな。その地元のダチの事故だって、その犯人が細工して起こったことだろ」


「車か、それともお友達を飲みにでも誘って、飲み物とかに睡眠薬を混ぜるだけでも良いですわ」


「それだと証拠が残っちゃう。あくまで犯人は証拠を残さないようにしてる。そして、2つの事件に共通しているのは、春樹の地元の人間が襲われている、ということ」

「まあ、確かに妹は地元の中学校に通ってますし、その友達も地元の高校に通ってますね」


「てことは、地元に詳しくなきゃ犯行は不可能ってことなんじゃないの?」


ハッとする3人


「じゃあ…犯人は地元の人間…!?」