ようやくマンションに帰宅したのは明け方4時だった

マンションのホールにつくと、ソファーにじゅりながいた


黒ぶちメガネで、アニメの秀才キャラのコスプレをしていた
黙々と勉強をしている


「おかえり」


春樹に気付き顔を上げるじゅりな


「ただいま」


春樹の顔色を見て、立ち上がり駆け寄る


「どうしたっ!?仕事の疲れだけではないだろう。ひどい顔だ。今、温かいものを出そう、そこに座っていろ」


じゅりなは春樹をソファーに落ち着かせると、自宅に走り、色々と準備をしてくれた


「ほら、ココアだ。君は案外甘いものが好きだからな」

「…ありがとうございます」

「気にするな、熱いからやけどするなよ」


「はい」


息を吹き掛け、ココアをすする

少し血の巡りが良くなった気がした
カップをテーブルに置く


「何があった。言ってみろ」

命令口調なのに、そこには温かみがあった


「…神……俺は……どうしたらっ…くっ…」



両手で顔を覆う春樹


「何があった」


もう一度、じゅりなは言った

それは、私が解決してやる、と言わんばかりの迫力があった


「でも…神を巻き込むわけにはいきません…。これは俺の問題なんです。」

「君は私の問題に容赦なく突っ込んで来たじゃないか」

「だってそれはっ、神がお困りのようでしたので…」

「君は今、困っていないのか?」


「…。」

「もしかして君を影ながら見守っているあの男性たちのことが関係しているのかな?」


「なっ!!」


それは、警察からの精鋭の護衛さんたちだっ!!
プロの方たちだから気配は消すと言っていたはずっ!!
なんでわかったんだっ!?


「私が気づかないとでも?神も甘く見られたものだ、それで、君が警察を雇っているところから見ると、何か君を巡っての事件が起きたか?」


超図星〜!!!



「君が困るほどだ、金の問題じゃなさそうだ」

「え…」


俺ってどんな認識なんすか…。


「となると、ファン絡みか、芸能人絡みだな。いや、どちらも、と言った方が良いか」


ニヤッと笑ったじゅりな



「ど、どうして…」

「どうしてわかったか、というと。まあ、種を明かせば嘉穂たちが怪しい人が君の周りをうろついてる、と言ってきてな」


「すごいバレてますね…。」

「正確には遠矢が気づいた」

遠矢の名前が出て、ぶすっとする春樹