外に出ると翼くんが仏頂面で立っていた


「ごめんっ!!翼、予定狂っちゃって、ちょっと家帰るの遅くなったわ」

「ごめんじゃありませんよ。スケジュールはちゃんと守ってください。あちらの信用がなくなったらどうするんですか」

「すみません…」


「安藤さん」

「あ、はい」

「1人で帰れますか?」

「大丈夫です」

「すみません、本当はマンションまで送っていけると良かったのですが」


ジトッと春樹を見る翼


「ま、まあ、マンションまですぐそこだしっ!!気をつけてくださいねっ」


「大丈夫だよ、護身術習ってたし」

「それじゃ、また明日っ!!」

笑顔で手を振る春樹


ああ



また、学生になれたんだな…

昔はこうやって人と別れてたんだっけ…




「うんっ、また明日ねっ、春樹っ」


「っ////」



その笑顔は、とても純粋なもので、心から笑っていた


耳を赤くする春樹は車に乗っても、しばらくは動揺していたのだった



マンションへ帰ると、


「おかえり〜」


「おお、やっと帰ってきたか」


萌花と翔太が待っていた


「ただいま」