「…そんなことありませ…ないよ。ファンの子とかにもらっちゃうんです、だ。」

「日本語おかしいぞ」

「だってしゃべりにくいんだもん。」

「能登春樹」

「春樹」

「…は、春樹」

「なに?」

「今日、お前機嫌悪いぞ」


能登春樹は目を見開く


「別に…そんなことないです、よ」

「……。」


「……。」


「……何か私はやらかしてしまっただろうか。」

ハッとして立ち上がり、前のめりにじゅりなを見つめる春樹


「そんなことありませんっ!!神は何も悪くなくて…」


すると、しゅん、として再び座る

「だからどうしたんだよ」

「……。」

「黙ってちゃ解決しないぞ」

「だって…神がちやほやされてるから…」

「………は?」

「遠矢とかっ!!神に意味ありげなこと言うしっ!!俺よりかほりんとめちゃくちゃしゃべるしっ!!間宮さんには隙だらけで触られてるしっ!!」


「ちょっ、一旦落ち着けって」

「これが落ち着いていられますかっ!!神は、可愛くて、天才で、運動神経も良くて、親しみやすくて、皆に…すぐに愛されちゃうじゃないですか…」


能登春樹は苦しそうに顔を歪める


「俺なんか、神にとって必要ないじゃないですか…」

「能登春樹、そのセリフ貴様が言うセリフか」


「え…」

「貴様の方がむしろ皆に愛されてるではないかっ
見ろっ!!その紙袋はなんだっ!!今日1日だけでそれだけの食料を確保出来たのは何故か、貴様が愛されているからだろうがっ!!」


「んっ、それは確かにそうですが…」

「貴様だけが苦しいと思うなっ!!バカがっ!!」

「それって…///」


「フン、そんな不摂生な食事ではすぐに体調を崩すぞ」


すると、じゅりながもじもじし始めた


「わ、私が…明日から、………やる」

「え?」


「だっ、だから…明日から貴様の分の弁当も作ってきてやると言っているのだっ!!あ、ありがたく思えっ!!」


能登春樹は最初目をまんまるにして呆けていたが、次の瞬間には、パァアっと満面の笑みをこぼしていた


「ありがとうございますっ!!神!!」


「あ、ああ。」