登校初日目からじゅりなの能力は開花していた


一時間目、英語


「では、ここの英文を読んでもらいましょう。誰か読んでくれる人」


何人もの生徒が手を挙げた当然じゅりなは指されぬようじっとうつむいていたのだが…


「じゃあ、安藤くん」


このハゲ親父〜〜〜!!!!


「…はい」


英語担当の白髪教師を心の中で全力で罵倒しながら、立ち上がりすらすらと英文を読む


それを見て、クラスが少しざわめく
じゅりなが読み終わり、席に座ると…


『誰が座っていいと言った』


ハゲ親父はネイティブに近い発音の言葉をじゅりなに放った


じゅりなは渋々立ち上がる
マジでなんなの、ハゲ親父
その残り少ない髪の毛を一本一本むしって…

再び教師への罵詈雑言が心中で繰り広げられたじゅりな


『英語はどこで習ったのですか』


いやぁ、アニメの好きなキャラが英語しゃべってて、かっこいいと思ったから独学で学びました


なんてオタク丸出しの回答出来ないわっ!!


『独学で学びました』


かなり内容を省き、しかし事実だけを述べた


『君は確かオランダで療養していたと聞くが、』


ああっ!!すっかりその設定忘れてた〜!!


『君は何ヵ国喋れるのかね?』


どんな言語のアニメ、マンガ、そういう類いの物をなんでも網羅したい、そう思っていたら


『ざっと、まあ、先進国の言語ぐらいですかね、あとはマイナーなのをちょこっと』


今まで表情を動かさなかった教師の右眉がピクリと動く


『そうか、引き留めてすまなかった』



英語教師は私の力量を把握したらしい