次の日


「うわ〜!!!ヤバいっ!!遅刻ー!」


安藤珠理奈、久しぶりに寝坊しました

何で私がこんなベターな遅刻シーンをお届けしているかというと…


昨夜一睡も出来なかったからなのです

緊張して全く眠れなかった

そして明け方近く、少しうとうとし始めて…いつの間にかヤバい時間になっていた


「何だよ、朝から騒がしいな〜」

「ええっ!?さ、サソリっ!?」

「おお、」

サソリはコック姿で料理をキッチンからリビングに運んでいる


「おはよう、じゅりなちゃん。朝食出来てますわよ」

「も、萌香さんまでっ!?」


萌香は優雅に朝食をとっていた


「ここ、うちなんですけどっ!?何で2人がいるのっ!?ていうか普通にキッチン使ってるし!!」


「おめぇが食事のバランスとか考えてないからよ、俺が作ってやってんじゃんよ」

「じゃんよ、じゃなくて!」

「もう高校生なんですわよ、じゅりなちゃん。健康管理もしっかりしなくちゃ」

「それはそうだけど…あっ!!遅刻しちゃうっ!!」

「あー、朝食だけ食ってけ」

「でも…学校まで歩いて20分だし、いっか。」


じゅりなは朝食を手早く食べた


「美味しい〜」


ほっぺたが落ちそうになるとはこのことである


「いってきまぁす!」

『いってらっしゃ〜い』


支度をして、出かける時、2人がいってらっしゃいを言ってくれた


何だか、新鮮だけど、ほんの少しだけ…懐かしい気がした


《いってらっしゃい、じゅりな。気を付けるのよっ》

毎朝私の姿が見えなくなるまで手を振ってくれた、母の姿が目に浮かんだ


じゅりなは鍵を見て思った

どうやって2人は中に入ったのだろう

じわりと嫌な汗が頬を伝った時


「おはようっ、神っ」

「///」


声を聞いただけで心臓が跳ね上がる


振り替えると、そこには制服姿の能登春樹がいた



「お、おはよう///」