そしてそして、モコモコこと七瀬萌花の二年ぶりの日本コンサートが始まった
残念ながら春樹は仕事で欠席だが、翔太と珠理奈は来ることが出来た
しかし翔太の燃えるような赤い髪はやはり目立つ
それでなくとも2人とも美形&スタイル抜群なのだ
さらにコンサートということでおめかしもしている
珠理奈は髪を巻いてリボンのついたカチューシャをつけている
子供じみた髪とは裏腹にドレスは落ち着いた黒にも近いダークパープル
大人なのか子供なのか一見してわからない
「珠理奈、いつの間に茶髪に染めたんだ?この間は黒でその前は栗色だったしよ。そのうちお前染めすぎてハゲルぞ」
「うるさいわねっ!!ちゃんとお金かけて手入れしてるわよっ!!」
一方翔太は黒と白のコントラストが美しいタキシードを着ていた
さながら執事にも見える
少々髪の色が派手だが…。
「うわっ、デカっ!?」
「萌花にしてはちっちぇホールだぜ」
「えっ!?これで…。」
会場は本当に果てしなく広い
その中央には赤い幕が引かれたステージがあった
「俺たちの席はこっちだ」
「あ、うん」
コンサート、しかもピアノコンサートに来るのは初めてなので緊張している珠理奈
翔太は勝手知ったる顔でぐんぐん進んで行く
さすが特等席、ステージがすぐ目の前だ
会場には続々とお客さんが入ってくる
珠理奈と翔太は何を話すでもなく、隣同士無言でその時が来るのを待っていた