次に搭乗ゲートまでの距離を目算
飛行機の便が表示される電光掲示板を見る
周囲を観察
そしてサソリの気持ちになって行動を読む
「どうする?萌花さん」
「まだいるはずっ!多分あの搭乗ゲートの付近ですわ。翔ちゃんが乗るのは、多分フランス行き。」
「え、どうしてわかるの?」
「春樹くんから電話が来た時刻から今の時刻までに出発していないのは5便。さらに春樹くんが説得に要した時間を合わせると相当前から空港に来ていたことにる」
「なんでそんなに早く来ていたのかな?」
「翔ちゃんは意外と用心深いから早め早めに行動するのよ。だから、搭乗ゲートにも早めに向かったはず。今から30分前の便は2便。」
萌花がピースをつくる
「そして翔ちゃんはフランスを選ぶはず」
「何で?」
「フィーリング」
「勘なのね…。」
「見つけた!」
萌花は再び走り出した
珠理奈はその後は追わなかった
ここからは2人の問題だ
萌花は走り、ついにサソリの背中を見た
やはりいた
良かった…。
「翔ちゃんっ!」
びくっ、と肩が浮いた
後ろを恐る恐る振り返ると
「萌花…」
「ば、…バカァァアアア!!」
本人は叫んだつもりだが、息切れしてあまり声量は出ていない
「旅行なんてっ、許さないからっ!!」