「だ、だって…」


ヤバい、春樹の顔まともに見れないよっ


春樹は珠理奈の隣に腰かけた


「俺本気なんだけど」


何でそんな色っぽい声出すのよ!


「と、とにかく、下の名前で呼ばないでっ!皆に知り合いだと思われちゃうでしょ」

「思われちゃダメなの?」

「ダメ!色々とめんどくさいもん」


珠理奈はすくっと立ち上がり、さりげなく移動する


「私は療養のためオランダの森の奥に住んでいたの。ようやく病気が治ったから少し遅れちゃったけど、勉強を頑張るわっ」

「それ、誰なんですか?」

「私の入学するにあたっての設定よっ」


春樹にデコピンをする


「いてっ」

「また敬語。」

「その設定、学校は信じたのかな」

「財と美貌がある者はどこへでも受け入れ可能なのよ。理事長もぜひうちの学校にと言ってくださったわ」
「あのスケベじじいっ!」

「え?理事長って春樹のお祖父様なの?」

「まあね、」

「え?お父様は継がないの?」

「うーん、どうだろ?親父は気ままな人だからな」

「遺伝って怖いわね」

「それどういう意味?」

「深い意味は無いわよ。だから、オランダにいた私とスーパー売れっ子俳優の能登春樹がいつどこで知り合ったの?とか面倒でしょ?だからただのクラスメイトなの、わかった?」


「珠理奈はそれで良いの?」

「ええ、良いわよ」

「…だったら良いけど、2人っきりの時くらい珠理奈って呼ばせてよ」


春樹は再び珠理奈の横に座り、珠理奈の肩を抱いた


「ね?良いでしょ?珠理奈」

「…好きにすれば」


どうしよう


春樹を拒絶出来ない…。