ふ、2人っきりとか、べ、別に気にしてなんかないしっ!!
普通だしっ!!
急に萌花さんたちにキャンセルされてちょっとびっくりしただけだしっ!!


いつも以上に指が高速で動き新記録を出してしまうほどに緊張している珠理奈


「お待たせ〜」

「はうぅっ」

「はうう?」

「あ、何でもないっ、ちょっと驚いただけ」

「ふぅん、お菓子も持って来たよ」

「ああ、サンキュー」


並々と注がれたジュースをぼんやりと見つめる珠理奈

「どうかした?」

「…ジュース、久しぶりに飲むなぁって」

「ご褒美だね」

「ご褒美…。」

「そう、今日頑張って学校行って、頑張って試験受けたご褒美」

「うん。」


春樹はグラスを持ち上げる

「んじゃ、珠理奈の…ゲーム解禁を祝して、」


珠理奈もグラスを持ち上げる

『カンパイ!!』


グラスがぶつかりあった
鈍い音がしただけでキレイな音は出なかったけどそれでも良かった


ジュースはご褒美だから


「あと、下の名前で呼ぶのも禁止」

「えっ!?何でよ!!」

「恥ずかしいじゃんよ」

「全然恥ずかしくないって!俺、珠理奈って呼ぶの好きだから」


またさらっと恥ずかしいことをっ!!

珠理奈の顔が赤くなる


「もちろん、珠理奈のことも好きだよ?」

「う、うるさいっ!!そういうの…やめてよ。」

「どうして?」


春樹は寂しそうに問うて来る