「今、能登春樹はどこですか?」

「寝室でぐうぐう寝ているでしょう」

「お仕事まで時間はありますか?」

「僕はいつも余裕を持って春樹を迎えに来ています」
「責任は…とらせていただきます」

「感謝します。それとこれを」

翼は珠理奈に大きな封筒を渡した


「これは…」

「春樹が行っている学校の資料です。これをあなたに渡すように、と春樹に言われました」

「何故こんなことを」

「春樹はいつも単純です。あなたと学校に行きたい、ただそれだけですよ」


ぽんっとガムを口に放り込む翼、ホールにあるソファーに腰を下ろした
手帳を開いて何やら書き込んでいる
もう用は済んだとばかりに、こちらを放置し始めた


完全に待つ態勢だな、ありゃ


珠理奈は今度こそインターホンに手をかけた