「それも大丈夫です、と言いたいところなんですが…。」

「えっ?」


珍しく歯切れの悪い言い方をする翼


「僕には何も言いませんが、何かあったようですね、あなたと」

「うっ。」

「何だか仕事に身が入ってないんですよ、最近の春樹は見ていてイライラします。」


目が完全に怒っている翼の迫力に若干おののく珠理奈

「やはり、あなたは春樹にとって特別なようですね。」

「はっ?」

「春樹をあんなにしてしまったのはあなたのせいです。責任をとってもらいましょう」

「せ、責任っ!?ちょっと待ってください!納得いきませんっ、そもそも本当に私が原因なんですか?」


「はい」

あまりにもきっぱりあっさりと言ってのける翼に拍子抜けする


「こ、根拠は」


「春樹が、あなたを気絶させて戻って来てから春樹は腑抜けになりました」

「どこまで知ってるんですか?」

「僕は春樹のマネージャー。それ以上でもそれ以下でもありません。なのでなるべく公私混同しないようにしています。よってあなたを気絶させてしまった、としか聞いていません」


どう考えても翼くんが公私混同をする画が思いつかない

だが、きっと能登春樹は私を気絶させたことよりも気にしていることがあるはずだ