と、思ったがまた指を引っ込める


あああ!!
ダメ、ダメ、ダメ!!
わ、私はっ、なんか能登春樹にホンキになってないかっ!?

ダメだってば、私!
相手は今をトキメク超スーパー売れっ子俳優だぞっ!!

私ごときが手を伸ばせる存在ではないっ!!


あっ!そうだっ!
ファンとしての好意だな、うん、ファンだよ、安藤珠理奈、惑わされてはいけないよ


さて、押すか


「春樹に何か用ですか?」


ぎくうううっ!!!!

カチコチに固まった珠理奈はやっとの思いで右に頭を動かす

そこには無表情紳士こと、片瀬翼がいた
春樹のマネージャーである

「つ、翼くん、あ、あの、この間の、その、熱を出した時看病してくれたお礼を言いたくて…。」


我ながらナイスアイデア!!

「はあ、随分前の話しですね、別にお気になさらずとも大丈夫ですよ、春樹が勝手にしたことです」


「そ、それに、チンピラから助けてもらった時もあるし…。」