最上階に着きホールに足を踏み入れた


「おかえり」

「遅かったな」


ソファーでくつろいでいたのはモコモコとサソリだった


「貴様らっ…」


多分彼らはあのクソ親父に会ったのだろう
そして何らかの制裁を与え私に謝罪と今までの金を返すように言ったのだ


いや、真実はもっと単純かもしれない


でも彼らの清々しいまでの笑顔を見たらどうでもよくなった

きっと聞いてもしらばっくれるのかオチだ
少なからずこの人達は大人で、しかも相当変人で、相当優しい、


「何か良いことでもあったんですの?」


私の友達だ


「まあな、どうだ?新作のゲームでもやろうではないか」

「おっ!そうだっ!どうしても攻略できねぇところがあってよ!ちょっと待ってろ、茶の準備をしよう。」

ドタバタと動き回るサソリに顔を合わせて笑いあう珠理奈とモコモコ


「あ、その、能登春樹は…まだ帰ってないのか?」

「さあ?ご自分でお確かめください」

意味深な微笑みをするモコモコ

「中で待ってますわね」

「いや、そこ私の家だから。自分家みたいに言わないでよ」

「ふふ、珠理奈ちゃんもまだまだ子供ですわね」

「そういう問題なのか?」


モコモコは珠理奈の家へと姿を消した


珠理奈は春樹の家の扉を見た

1週間は会っていない

なんだか気まずい


でも…会いたい


意を決してインターホンに指を伸ばした