「あ、宜しくお願いします。」


ごく自然にペコリと頭を下げた。
すると、春樹くんの表情が固まってしまった。


ん!?今度こそ持病がっ!?


「あの、どうか…なさいましたか?」


春樹くんは口をパクパクしている。翼くんは相変わらず無表情。


「能登春樹の名前で驚かないなんてっ!!」
「えっ?」


状況がさっぱり読めない。なんで、能登春樹の名で私が驚かなくてはならない。

「春樹、そろそろ移動しないと。」
「うん、俺…もっと仕事頑張るっ」


すっかり、しょぼんとしてしまった春樹くん。私にどんなリアクションを求めていたのだ、春樹くんよ。