それからのあたしは郁ちゃん一筋。
どんどんかっこよくなる郁ちゃんに毎日どきどきしてる。
海外に行って
郁ちゃんと離ればなれになるなんて
あたしに死んでくれって言ってることと一緒。
考えられない。
断固拒否!!!
「はぁ……。」
父さんは
『言うと思った』と言わんばかりに頭をかかえる。
ごめん。でもこれだけは絶対に譲れない。
郁ちゃんが好きだから。
――そのあと
一週間ぐらい冷戦状態が続いてたのに
「オマエは行かなくても良くなったぞ。」
急に満面の笑みで嬉しそうに言い出した。
「え!!ホントに!?あたし一人だけ残って一人暮らし??ってこと?」
日本に残れることだけでも嬉しいのに
父さんの口からとんでもない言葉が飛び出した。
「郁くんと一緒に住むんだ。」