「俺、人を待たせてるんだった。」


先輩がハッと携帯を確認した。




「あ、時間とらせちゃって
 ごめんなさい!
 行ってあげてください!」


私もハッとなって慌てていった。



先輩は申し訳なさそうな顔して

ごめんな、ありがとう

と言いながら駅へと消えていった。




先輩の姿が見えなくなると

ふらつきながら

ベンチに腰をおろした。



空を仰ぎ見ると

ゆったりと雲がうごいていた。