「隼人!オレ麻友と同じクラスだった~♪」

…あっそ
と心の中でつぶやいた。

「で、オレは?」

「2組。オレは4組♪確か、麻友の友達の…東雲彩ちゃんも2組だったかな~…」

離れたんだな…

「あー!!麻友だぁ~♪」

そう言いながら笑顔で走っていった。
何も言わず教室へ行くのは悪いと思ってとりあえずついて行った。


「麻友~」

そう言っている桐斗の姿が見えた。
なんか、あの二人喋ってるとは入りづらいんだよな…


とりあえず用件と伝えることにした。


「桐斗、オレ教室行くから」

「えー・・・」

「どうせクラス違うだろ?」

「まぁそうだけどー・・・」

「また後でな」


この様子だと長くなりそうだったから半ば強引に話を終わらせた。


そのまま一人で行こうと思ったのだが、桐斗たちの近くにいる女の子が気になった。
今まであんな風にしている子を見てもなんとも思わなかった。
けど、無性に何かしてやりた気分になった。
麻友の近くにいた事から彼女が『東雲彩』なんだと感じ取った。

「行くぞ」

気が付けばオレは声をかけていた。
いきなりのことで驚いてるのか、返事をしない。

「お前、東雲彩だろ?あいつらとはクラス違うんだし一緒にいたってどうせ一人になるだろ?ほら行くぞ」

そう言った。
きっとまた返事はないのだろうと思い手を引いて歩いた。




―彼女の第一印象 無性に守りたくなるやつ