「麻友~」
遠くから麻友の向かって走って来る男の子。
「桐斗!」
八坂桐斗。
麻友の幼馴染であり彼氏。
正直あまり得意ではない・・・
「麻友、オレと同じクラスだったぞ~」
「本当?やった♪」
・・・私の前でイチャつくなよ
てか居場所を失ったか・・・?
「桐斗、オレ教室行くから」
「えー・・・」
「どうせクラス違うだろ?」
「まぁそうだけどー・・・」
「また後でな」
そう言って行こうとする男の子。
はっきり言えるっていいなとか思ってたりして。
人ごとのように思っていると私の方に近づいてきて、
「行くぞ」
と言ってきた。
突然のことで返事すらできず突っ立っていると、
「お前、東雲彩だろ?あいつらとはクラス違うんだし一緒にいたってどうせ一人になるだろ?ほら行くぞ」
そう言って手を引いて歩き出した。
彼は私の心が読めるのだろうか?
きっとあの場に居づらいっていうのを感じ取ってくれたのだろう。
―彼の第一印象 優しい人