どれだけ逃げても
世界ゎ私を見つけてしまう。
ならば私から
この世界を拒絶しよう…。
暖かな日差しが降り注いで、
春が来たことを知らせている。
私が通る道にゎ
まだ雪が残っている。
“あぁ、春だな”と
そう思わせるほどに…
この町についてゎ
知ってる事が少しもない。
まぁ、それもそうよね
だって私は
この町の人じゃないから。
あ、正しく言えば
“今日”からこの町の人になるわ。
説明の前に、まずゎ名前ね。
染宮 奈亜那(ソメミヤ ナアナ)
明月高校に通う、1年生よ。
見た目ゎ…そうね…
黒髪の長い髪に
頭ゎ…中の上…ね…
まぁ、とにかく。
自己紹介ゎ終わったから
次に行くとしましょう。
誤解のないように言うけど
私がこの町の事を知らないのは、
さっきも言ったけれど
今日初めてこの町に来たからよ。
私が元いたのゎ
この町より遠い場所だったし
この町に来ることになるなんて
思っても見なかったし
自分に対して興味もないのに
他のところに興味がないのゎ
当たり前じゃあないかしら?
…なんて、
ただの言い訳よ。
本音としてゎ
この世界に興味がないだけなのかも。
この世界にゎ残酷なほどに、
悲しい思いがたくさんあるから。
どれだけ願っても
どれだけ叫んでも
本当に叶って欲しい事ゎ
本当に届いて欲しい人にゎ
どんな事も叶わない
どんな事も届かない…