「さーや!いる?」



塀のように生い茂る垣根の穴のあいたところが彼女だけの抜け道。


彼女の部屋からしか見えないし、路の方からも見えにくくなっているからだ。



「…」



反応はない。



「茶哉!いるんでしょ!気配でわかるってば!!」





…すると。



「…お前には全くかなわねぇなー、はーい、いますいます。」


めんどくさそうな反応が返ってきた。




神波の相棒の狐、茶哉だ。