先にたったのは茶哉のほうだった。


「…帰るか。」



ポツリと呟くようにいうと、

茶哉は元の化けギツネの姿に戻ってしまった。



もうちょっと人間でいてほしかった、惜しい、なんて。


神波は少しだけそんな感情を抱きつつ、立ち上がった。






神波はこの感情の名前を知るのは、もう少しあとになる。