「神波さまー!?いらっしゃいませんかー!!」


ザッザッザッ…




足音は遠のいていった。




隠れている間じゅう、神波は心拍が上がっていた。


たとえ化けギツネであれ、茶哉は男なのだ。



見た目は人間の男子、18歳ぐらい。

整った顔。


もし始終人間の姿でいたら、女子にかけ回されることになりそうだ。


この姿を知るのが自分だけだということが、神波は少し誇らしかった。



「しっ!まだ立つなよ。」


凛とした周りを見渡す茶哉の横顔についつい見とれてしまった。