――今は昔。

ある村に地主を統括していた、名門 三郷家という家があった。


その三郷家には、三郷 神波(みさと かなは)という15歳の娘がいた。

神波は、小さい頃から大事に大事に育てられてきた。


そのせいか、今ではおてんばで好奇心旺盛な娘へと成長し、親たちを困らせている。



あるとき神波は、相棒の雄の化けキツネの茶哉(さや)と共に、旅に出ることにする。


旅の目的は、百年前に、妖怪によって散らされたという家宝を探し、集めること。



この物語はその旅の冒険を記したものである―――