「神倉の弟にしてみれば、いつまでも自分のせいで悲しまれていい迷惑だろ。
それに……」
 
 
 
「…なんだよ。」
 
 
 
「神倉の両親だって悲しいに決まってる……。
 
でも考えてみろ!
神倉の両親は今もずっと、うじうじしているのか!?」
 
 
 
…俺だけが悲しいわけじゃねぇんだ。
 
忘れてた…。
 
 
 
おふくろや親父だってきっと辛い。
 
 
 
なのに…
 
俺を慰めて、励まして、心配してくれた…。
 
 
いつも明るく元気に振る舞って、俺の笑顔を取り戻してくれた…。
 
 
 
辛くないはずなんてないのに…。
 
 
 
「神倉のその気持ちが…
周りの人を気付かないうちに傷付けて…
悲しませているんだっ!」