「…はぁ……。
全然見つからねぇ…。」
 
 
 
本当に、どこ行ったんだよ。
 
 
これだけ探しても居ないって…
どういうことだよ…。
 
 
 
華音が居そうな場所は………。
 
 
 
「……まさかな。」
 
 
いくら華音でも、勝手に祭りから抜け出しはしないだろ。
 
 
「…………。」
 
 
 
一回行ってみるか。
 
 
 
俺は人混みを掻き分け、走り出した。
 
 
 
向かう場所は…
 
あの丘だ。
 
 
 
華音が行きそうな場所はあそこしかない。
 
 
でも祭りの最中に無断で抜け出すなんて、あり得ないよな……。
 
 
 
 
いろんなことを考えながら走っていると、あの丘が見えてきた。
 
 
 
俺は一気に丘を登る。
 
 
 
 
「…………。」