「…ごめんっ!混んでて遅くなった……。」
 
 
華音が待っているはずの場所には、誰も居なかった。
 
 
「…あれ…?華音ー!」
 
 
 
俺は名前を叫んでみる。
 
もちろん返事など、返ってくるわけもない。
 
 
 
「…待ってろって言ったのに……。」
 
 
 
俺は辺りを見回した。
 
 
…人だらけで分からねぇ。
 
さすがに、この中から探すのはキツいな…。
 
 
 
「どうすっかな…。」
 
 
早くしないと、かき氷も溶けてしまう。
 
 
 
こうなったら探すしかないか…。
 
 
 
「華音ー!おーい!」
 
 
 
…はっきり言って、周りの視線が痛い。
 
けれど、一番早く見つけやすい方法だ。
 
 
 
俺は恥ずかしさを捨て、華音の名前をひたすら呼んだ。