「うわっ…ずげぇいっぱい人居るし。」
 
 
俺は辺りを見回しながら言った。
 
 
「はぐれるなよ。」
 
 
 
そう言ったのは俺ではなく華音。
 
 
…普通そういう言葉は男が言うものだろ。
 
てか何で俺は、女に心配されてんだよ……。
 
 
カッコ悪いな…俺……。
 
 
 
「神倉、あれやろう。」
 
 
華音が見つめている先には『射的』と書かれた看板。
 
 
「射的か…良いな!やるか。」
 
 
 
 
「いらっしゃい、一回二百円だよ。」
 
 
 
「じゃあ、五回で。」
 
俺は千円を差し出す。
 
 
 
「はい、頑張ってね。」
 
 
 
…とりあえず、取りやすそうなのをとるか。
 
 
 
 
パンッ!