「何で今やってんだよ…馬鹿か!」
 
 
 
「夏休みにやるなんて、面倒なだけだろ。」
 
 
……まぁ、確かにそうだけど。
 
 
「だからって普通やらねぇだろっ…!
先生に見つかったらどうすんだ!?」
 
 
俺は周りに気付かれない様に、声のトーンを下げて言う。
 
 
 
「見つかった時は見つかった時だ。」
 
 
 
「……………………。」
 
 
 
「どうした神倉、黙り込んで。」
 
 
 
俺は何も言わずに、華音の後ろを指さす。
 
 
 
 
「…何やってんだ、黒川。」
 
 
 
そう言ったのは、噂をしていた先生だった。
 
 
 
 
「………夏休みの課題をやってるんですよ。」
 
 
華音は少し躊躇したものの、はっきりと言った。
 
 
 
「黒川、神倉、二人とも放課後に俺のところに来い。」