「…はぁ。」
 
 
 
「…ここに居たのか。」
 
 
 
華音が俺の顔を覗きながら言う。
 
 
 
「…あぁ。」
 
 
「ため息なんかついてどうした。」
 
 
 
「別に…華音には関係無いよ。」
 
 
俺は華音を突き放すかの様に言った。
 
 
「関係無い…か。
あたしも前に、そんなことを神倉に言ったな。」
 
 
 
「だな。」
 
 
 
俺はまだ空を眺めているまま。
 
 
 
「…花火はいつあるんだ?」
 
 
華音は重い空気を、断ち切るかのように言った。
 
 
 
 
「たしか……」
 
 
俺はポケットに入れ、持ってきた紙を取り出した。
 
 
「八月……二十一日…」
 
 
 
嘘だろ…。
 
八月二十一日って……。