「だって何か喧嘩してたし。」
 
 
 
「それとこれと何の関係もないでしょ!?」
 
 
そしてまた一人、女子が俺に向かい怒鳴った。
 
 
「ごめん。でも俺、華音と行くからさ。」
 
 
 
そう言うと俺は教室を出た。
 
 
 
「ま…待ちなさいよ!」
 
 
そんな声も聞こえたが、俺は構わず歩く。
 
 
 
 
ガチャッ
 
 
 
俺が来たのは屋上。
 
 
 
「…そういえば俺、屋上に来たことなかったな。」
 
 
俺は地面に寝っ転がった。
 
 
 
俺の目の前には、青い空だけが広がっている。
 
 
 
 
青空を見る度に思い出す。
 
 
忘れたいのに、絶対に忘れることのない記憶…。
 
 
 
ずっと雨が降っていればいい…。
 
ずっと夏が来なければいい…。
 
 
 
そうすれば、あの記憶だって思い出すことは少なくなるだろう。