「…花火大会?」
 
 
俺は聞き返す。
 
 
「うんっ!二人で行こうよ!」
 
「え!?一人で抜け駆けなんてずるくない?」
 
 
「みんなで是奇君を誘うって言ったじゃん!」
 
「うるさいなぁっ…私の勝手でしょ!」
 
 
 
俺をよそに喧嘩が始まった。
 
 
 
 
「……花火か…。」
 
 
俺は静かに呟く。
 
 
 
「何だ神倉、行きたいのか?」
 
 
いきなり華音が俺の後ろから出てきた。
 
 
「……別に…行きたくなんか…」
 
 
「しょうがない、そこまで行きたいなら一緒に行ってやる。」
 
 
 
俺が言葉を言い終わらない内に、華音が言った。
 
 
 
 
「…華音……もしかして行きたいのか?」
 
 
 
もしかしてと思い、俺は聞いてみる。
 
 
 
「別に……ただ行ってやっても良いと言っただけだ。」