川の静かな流れと、夜の音が耳に響く──

「感情を無くしたのは必然的な事だ」

「わかってるよ、神様だもんね。俺が勝手に好きになっちゃったから、デイを困らせちゃって、ごめん」

「謝る事ではない。もし私にその感情が残っていたとすれば、向けるのはきっと1人なのだろう」

「誰か、愛する人がいるってこと?」

 デイトリアの瞳から複雑な色が覗いては隠れる。

 その表情と、ジェティスが言っていた名前が浮かぶ。

「もしかしてそれ、絶対神とか言う人?」

 何も反応が無いように思えるが、剛には気がついた。

 青い瞳が微かに動いたのを見逃さなかった。