「ねぇ!原田くん」
突然背後から女子の声に話しかけられてビックリした。
そういえば、屋上のドアを開けっ放しにしていた。
振り返ると、そこには面識はたいしてないものの見覚えのある子が立っていた。
「君は……西さんの…」
「うん、レーラちゃんの友達。飛鳥だよ。」
そうだ。飛鳥さん。
彼女は男子の高嶺の花。
キレイで、背が高くスラッとしている。
見た目が良いだけじゃなく、成績も良くて優しい。
人当たりも、面倒見も良くサッパリとした人。
そんな彼女は、女王様と名高い西さんの唯一の友達。
だからこそ、彼女には近づきにくい。
男子たちはそう話していることをよく知っている。