「西さん!」
突然話しかけられた。
「へ…?」
そこにいたのは、原田くんだった。手には何かの包みを持っていた。
「お弁当、一緒に食べよう?」
「え…?」
「今日は俺が西さんの分も持って来たんだ。作ったのは母さんだけど。」
突然の申し出に私は驚いた。
だって、昨日彼は何も言わなかったのに。
「えっ……良いわよ…私は一人で…」
「俺が一緒に食べたいんだ。ダメ?」
「………。」
そんなつもりはなかったのに。
何だか、原田くんに押し切られてしまったわ。
原田くんは、敷物をその場に敷いて、私に座るように促した。