「別に、私どもが作ることに関して異存があるわけではありません。ただ……いつか怜羅さまが作ってみたって、味が違いすぎて…お友達にはもう同じ料理としては出すことが出来ない。
それくらい、違うものなんです。嘘をつけば…そのひとには、もう二度と料理は作れない。」




「………奥が深いのね。」



「料理の世界には、修行というものすらありますからね。…そんな奥深いものを、怜羅さまが知らないのはもったいない。」



「…そういうものなのかしら?」




「えぇ。一つ作れるようになるときっと楽しくなります?簡単なものから、練習してみませんか?」



……何だか、ほだされるわ。



「何からするのかしら?」



「じゃあ、まずは…卵焼きから。」




こうやって、初めて料理をすることになったわ。……不安だけれど。