「そうですね……やはりスタンダードですと、卵焼きやウインナー、煮物、アスパラのベーコン巻や煮込みハンバーグ……」
……作り方が分からないラインナップばかりね。
「ふぅん。じゃあ、明日からはそのメニューをちょっと味付けを変えながらお弁当に入れてちょうだい。」
そう言うと、料理長はえぇっ!?と声をあげる。
…何か問題でもあるのかしら?
「怜羅さま、それはちょっとどうかと…」
「何故…?今はお弁当にそんな素朴な食品は入っていないから、私が作ったと言い張れるでしょう?」
「そういう問題ではありません!!料理は、その人の味が出ます。誤魔化しなんて、聞かないんですよ。」
料理長は、すごく必死に訴えていた。