それから12年後………。
「ねぇ、そういえば聞いたー?」
「えっ?何のこと?」
「西さんのこと!」
「あの女王様、結婚したらしいよー」
「えーっ!結婚できたのー!?誰とー?」
「原田くん。あれから12年、別れなかったらしいよ」
えー、やだー、信じられないという声がカフェに響く。
今だ落ち着きが見られない同級生たちに、偶然同じカフェに居合わせた飛鳥は苦笑いをする。
彼女は薄い笑みを浮かべながら、バッグから一つの封筒を取り出した。
無二の友人の結婚式の招待状だった。
差出人は、原田新と……西怜羅。
「でも確かに。あれから12年……原田くんもあのワガママによく付き合ったねー……でも、レーラちゃんも変わったよねぇ」
彼女は、昔を懐かしみ、出席に丸をつけた。
彼女の封筒の中には、笑顔の二人の写真も同封されていた。
幸せそうな、笑顔だった。
『私たち、結婚します!』
「女王様と、ナヨナヨくん。」完