「なぁ。華はどれにする?」


「えーっと…オレンジジュースで」


あたしはメニューをパッと見て言った。


「え?チョコレートパフェ食べねぇの?」


「え……?」


チョコレートパフェ…?


ここのお店にはないはず。


だってチョコレートが好きなあたしは必ず初めにチョコレートを探す。


でも、このお店にはチョコレートはあまり使われてなかった。


「やだなぁ、大地くんったら♪このお店にはチョコレートパフェないよ?」


「でも、ここに載ってるじゃん」


彼はメニューの一番最初を指さした。


そこに目線を落とす。


“大注目!RiNRin限定のチョコレートパフェ新発売!!”


「あ…」


あたしはこの時初めて気付いた。


ちょっと前、女子高生から大人気のカフェ、RiNRinの記事を雑誌でみたんだ。


その時、チョコレートパフェが発売されるって書いてあって、その後大地くんに話したんだ。


大地くんはそれを覚えていてくれた。


彼を見た。


「んで?どれにする?」


胸がドキッと高鳴った。


「…チョコレートパフェ…」


「ん、了解♪」


そう言うと店員さんに注文してくれた。


彼が店員さんに注文をしているときもあたしは大地くんを見ていた。