「美里ごめん…私、」


「謝らなくていいよ、私フラれたしね」




 美里はそう言うと笑った。




「好きな奴がいるからって。でも私はそれだけじゃ諦めきれなくてね、聞いたの。誰?って」




 美里、美里はすごいよ。

 私ならフラれた瞬間にもう何も聞けなくなるから…。



「阿部の近くにいる奴って言ったんだよ。分かる?咲の事だよ?」




 私…?




「いっておいでよ」



 頷くと、私は走った。



 ごめん、美里。


 辛かったでしょう?


 ほんとにごめんなさい…。










「川田っ!」