店長は秀人に開店前の作業を軽く説明すると「後は美咲ちゃんに任せたから」と言って鼻歌混じりにバックヤードに入って行った。
おいおい、後は任せたっつーか何も教えてねえじゃん。と、突っ込みたかったが、私が答える前に店長は居なくなってしまった。
という訳で、私は秀人に朝の準備の事やら掃除道具の場所やらを説明して一緒に作業を始める。
「おはようございます」
開店五分前に呑気に出勤してきたのは、一個下のバイトの子で名前は香奈(かな)。人懐っこい子で私の事も慕ってくれてる。
ちなみに香奈は店長の知り合いの娘さんらしく、私がバイトに入るより前――つまり中学の頃から手伝いをしていたらしい。そして高校になって正式にバイトとして雇われたみたいだ。
「香奈、おはよう」
「おはようございます、美咲先輩。あの……?」
不思議そうな顔で秀人と私を交互に見た。
「あっ、神城です。美咲の紹介で今日からバイトに入る事になったんで、よろしくお願いします」
「こちらこそ、よろしくお願いします! えっと、美咲先輩の彼氏ですか?」
秀人に挨拶を返し、荷物をロッカーにしまいながら悪戯な瞳で私を見る。
「へっ? いや。一応、ただの幼なじみだよ」
香奈の視線に、何故か不安を感じてしまった私。
「先輩、一応って何ですか? でも良かった。付き合ってないんですね。じゃ、わた……」
「――そろそろホール出てね」
香奈が何か言いかけた時、奥から店長が出てきた。
おいおい、後は任せたっつーか何も教えてねえじゃん。と、突っ込みたかったが、私が答える前に店長は居なくなってしまった。
という訳で、私は秀人に朝の準備の事やら掃除道具の場所やらを説明して一緒に作業を始める。
「おはようございます」
開店五分前に呑気に出勤してきたのは、一個下のバイトの子で名前は香奈(かな)。人懐っこい子で私の事も慕ってくれてる。
ちなみに香奈は店長の知り合いの娘さんらしく、私がバイトに入るより前――つまり中学の頃から手伝いをしていたらしい。そして高校になって正式にバイトとして雇われたみたいだ。
「香奈、おはよう」
「おはようございます、美咲先輩。あの……?」
不思議そうな顔で秀人と私を交互に見た。
「あっ、神城です。美咲の紹介で今日からバイトに入る事になったんで、よろしくお願いします」
「こちらこそ、よろしくお願いします! えっと、美咲先輩の彼氏ですか?」
秀人に挨拶を返し、荷物をロッカーにしまいながら悪戯な瞳で私を見る。
「へっ? いや。一応、ただの幼なじみだよ」
香奈の視線に、何故か不安を感じてしまった私。
「先輩、一応って何ですか? でも良かった。付き合ってないんですね。じゃ、わた……」
「――そろそろホール出てね」
香奈が何か言いかけた時、奥から店長が出てきた。