「全く。美咲ちゃんはオープンな性格の割に、こういう所は奥手なんだから。別に隠さなくても良いんじゃない?」
軽く後ろで束ねている金髪の天パが印象的な店長は、長く伸びた前髪を指で掻き分けてニヤついた表情を浮かべた。
「いや、だから隠してんじゃなくて、本当に違……」
「はいはい。分かった分かった。で、秀人くんだっけ? これからよろしくね」
絶対分かってないし。
「あっ、はい。よろしくお願いします」
突然話を振られた秀人は、一瞬反応が遅れていたが、すぐに軽く頭を下げて答えた。
「そんなに畏まらないで。ここはスタッフ全員フレンドリーが売りの店だから。いやぁ、でも人手が足りてないから助かったわあ」
店長はたまにスナックのママみたいな言葉遣いで話す時がある。まぁ、実際似たようなもんだけど性別はれっきとした男。見た目の男らしさと反比例してる所が、なんとも滑稽で笑える。
「はい。こちらこそ、今日から入れてもらえるなんて助かります」
秀人は満足そうな笑みを浮かべて店長を見た。
「いいえー」
店長は間の抜けた声で返す。
そして、とても面接とは思えない雑談を終えて開店の準備に取り掛かった。いや、端(はな)から採用は決まってたようなもんで、ずっと三人で雑談をしていたと言った方が正しいか。
軽く後ろで束ねている金髪の天パが印象的な店長は、長く伸びた前髪を指で掻き分けてニヤついた表情を浮かべた。
「いや、だから隠してんじゃなくて、本当に違……」
「はいはい。分かった分かった。で、秀人くんだっけ? これからよろしくね」
絶対分かってないし。
「あっ、はい。よろしくお願いします」
突然話を振られた秀人は、一瞬反応が遅れていたが、すぐに軽く頭を下げて答えた。
「そんなに畏まらないで。ここはスタッフ全員フレンドリーが売りの店だから。いやぁ、でも人手が足りてないから助かったわあ」
店長はたまにスナックのママみたいな言葉遣いで話す時がある。まぁ、実際似たようなもんだけど性別はれっきとした男。見た目の男らしさと反比例してる所が、なんとも滑稽で笑える。
「はい。こちらこそ、今日から入れてもらえるなんて助かります」
秀人は満足そうな笑みを浮かべて店長を見た。
「いいえー」
店長は間の抜けた声で返す。
そして、とても面接とは思えない雑談を終えて開店の準備に取り掛かった。いや、端(はな)から採用は決まってたようなもんで、ずっと三人で雑談をしていたと言った方が正しいか。